2008–02–27 (Wed) 23:02

「追記を読む」に書いいた、私のテキスト(私がご主人様に送ったメール)に対して、ご主人様からメールが届きました。
忙しい仕事の合間に一気に書いてくれたのかと思うと感謝感激です。ありがとうございます。
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人は、一人では生きられない。
ことさら、性癖や嗜好が、どちらかに偏っていると
自分とその相手がいて、番いという意識が深まるのかも知れない。
主従という立場、SとMという立場、つまり支配する側とされる側、
あるいは、いじめる側といじめられる側。
それは、人によってさまざまで、ここでどうあるべきか、ということは言えない。
ナオミと俺の関係は、どうだろうか、と思う。
「ようやくここまで辿り着いたな」という言葉は、ナオミにかけた言葉だ。
辿り着く、ということは、ようやく一緒に歩けるということだ。

二人の関係は、難しかった。
それはМ性が強くても、それに見合ったS性の器、嗜好がなければいけないし、
逆にS性が強すぎて、M性が弱ければ、Sは、そのM性を自分と溶け込むまでにしていかないとうまくいかない。
ナオミは、俺が好きで、離れられないという基本的な女の性から、かすかに持っていたM性を頼りに、
しがみついてきた。
しがみつかれた俺は、当然、物足りない。
それまでの人生でさんざん、いろんなことをやってきた俺は、むしろ、プレイということにも汗を流したくなくなっていた。
そうではなく、主と従。格好よくいえばそうだけれど、好き勝手にできる性処理がほしかったのだ。
欲望という心の奥底に秘めた本能が満たされる相手。
それが、SMでもなければ、主従でもなく、
本能のまま、欲望のまま、俺の性処理をしてくれる相手。
結果的に、それが一般的な主従関係風でも、SM風でも、自分には関係ないわけで、
だから、2年以上かけて、ようやく性処理係りという役割にナオミは、収まってきたということだ。
好き勝手の中に、何があるのだろうか、と問われると、答えられない。
要するに、欲望というのは、そういう魑魅魍魎な闇の中に潜むものなのだから。
ただ俺の愛情表現は、相手を苛め抜く、苦痛を与える、辱め、堕とし、ボロボロにさせることでしか表現できない。
一般的に言えば、そういう最低の女にこそ、魅力を感じてしまうのだ。
そこで、俺の闇と相手が、遭遇でき、同居でき、時間を共有でき、人生を共にできる。

闇の中は、実は、なにも見えないのではなく、
いろんなものが見える。
ナオミが、這い上がって来たのは、崖の上ではなく、闇の中に、本来見えない崖があって
そこを這い上がってきたのかも知れない。
俺は、S性を持つ主が、M性を持つ従に育てられ、M性を持つ従も、当然、S性を持った主に育てられるものだと思っている。
人間が、絶対的ではなく、主たるものも、従にたいして絶対的ではあるけれど、それは、お互いに、絶対的になるべく成長していくものだと、思っているからだ。
ナオミは、ようやく、その闇の中で、俺という主の灯りを見つけ出せたということだ。
これから、ようやく堕ちる、汚れる、狂う、辱められる、絶対的な主に飼殺される人生が、始まる。
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「やっと俺に追いついたな。」
ご主人様が静かに言った。
「はい。」
私も静かに返事をした。
目を合わせる、二人で微笑む。
昨日、性処理部屋でのご主人様との会話。
あー、こういうことだったのですね。
今までの五年近いご主人様との年月が走馬灯のように脳裏に渦巻く。
そう、私はやっとご主人様に追いついた。
だからこれからが本当の意味で一緒に歩いていける。

ご主人様へ(ご主人様へ送ったメールを転記)
崖の上にご主人様がいる。
「這い上がってここまで来い。」
私は必死に這い上がる。だけど、何度も何度も転げ落ちたどり着けない。
どうして手を差し伸べてくれないの、何故、私を引っ張り上げてくれないの?
それがだめならご主人様が降りてきてよ、私はこんなに苦しんでいるのよ、頑張っているのよ。
足掻く、喚く、吼える、泣く、叫ぶ。
それでもご主人様は崖の上で、私に声をかけるだけ。
「自分の手で這い上がるんだ、俺のところに来い。必死に『おまえが俺のところに』来るしかないんだ。」
石を投げたこともある、唾を吐いたこともある。
ご主人様を傷つけ汚したそれらはそのまま私へと落ちて来る。
気づけば、互いに傷だらけになっていた。
それでもご主人様は崖の上で待っていてくれた。
だから私は這い上がり続けた。
そこでご主人様が待っていてくれるから。
そして私は今やっと、這い上がり、ご主人様に追いつけた。
今までの年月を例えるとこんな感じなのでしょうか。
これが、ご主人様が私に言い続けていたご主人様の主従なんだとやっとわかりました。
私は、自分だけが頑張っていると思っていました。
私だけが必死に頑張って苦しんで辛いと思っていました。
だけど、
そこで待ち続けたご主人様も決して楽をしていたわけではなかったはずですよね。
手を差し伸べて私を引き上げてしまったほうが、よっぽど簡単だったと思う。
いっそ崖から飛び降りて下でもがく私に合わせたほうが楽という選択肢もあったはずです。
でもご主人様は待ち続けていました。
なぜ?
それは、私を信じてくれていたから。
「ナオミなら必ずここまで這い上がってこれる、自らの手で。」と。
これが、主が従を信じるということなのですね。
そして私も信じていた。
「必ずご主人様は待っていてくれる。だから何が何でも這い上がれる。」と。

これが、従が主を信じるということなのですね。
これが、主(S)と従(M)が互いを信じあうということなんですね。
私たちはそこに辿りつけた、ご主人様も私も、諦めなかったから。
「SはMに、MはSに、育てられる。そうして成長していくんだよ。」
ご主人様がいつも話していた意味は、こういうことだったのですね。
ご主人様に追いついた私は、これから、
本当の意味でご主人様の影となることができて、同じ道を歩いていけます。
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